まず前編として、トーヨータイヤがACミランの選手を起用した、プロモーションCM「AC Milan vs. Drift Cars(ACミラン vs ドリフトカー)」を考察します。後編では、トーヨータイヤとACミランのコラボ特設キャンペーンサイトを考察します。
ACミランとのコラボ第三弾となるプロモーションCM
TOYO TIRES(トーヨータイヤ)は東洋ゴムがグローバルで展開しているブランド名です。トーヨータイヤは、国内シェア4位、世界シェア13位(ともに2015年)と言われており、世界的なタイヤブランドであると言えます。
トーヨータイヤが制作したプロモーションCMはどういったものなのか、まずはこちらの動画をご覧ください。
本田圭佑選手をはじめ、イニャツィオ・アバーテ、アレッシオ・ロマニョーリ、ガブリエルが出演しています。また、元ACミランのレジェンドであるフランコ・バレージ氏も登場しており、ファンにはうれしい内容となっています。
実は、このプロモーションCMはACミランとのコラボ第三弾となっています。第一弾となるCMは本サイトでも別の記事で取り上げています。
こちらもなかなかユニークなものとなっており、現在YouTubeで約550万回再生されています。今回は、第三弾となるコラボCMが、どのような意図をもとに制作されたのかを考察します。
Surprising the worldというキーメッセージ
これまでに3つのコラボCMが制作されましたが、これら全ては全世界のマーケットに向けて、トーヨータイヤの製品をプロモーションするという明確な目的があります。
トーヨータイヤは「そのタイヤに、驚きはあるか?(Surprising the world)」をキーメッセージとしたグローバル・ブランディングを展開しています。このキーメッセージを全世界に届けるため施策がこのCMです。左の写真のようにCMの最後にもこのメッセージは出てきます。
トーヨータイヤ製タイヤ「PROXES(プロクセス)」を装着した2 台のスポーツカーは迫力のあるドリフトで、ACミランの選手たちの華麗なパスワークと対決します。この対決を通して、トーヨータイヤは観客に「驚き」と「感動」を与えることができる、というメッセージを届けようとしていることが見てとれます。
最後に出てくる、少女の手から離れたくまのぬいぐるみをドリフトカーと選手たちが協力して助けるシーンは、正しく観客に「驚き」と「感動」を届けているシーンと言えます。
また、CM中にスポーツカーがドリフトするシーンは10回以上確認できます。右の写真のように、各シーンでタイヤに焦点をあて、また「TOYO TIRES」のロゴがきちんと露出されるような演出がされています。企業ロゴとタイヤをきちんと露出させることで、視聴者に強い印象を残そうとしています。
こうした強い印象を残すようなCMを視聴者に発信することによって、トーヨータイヤというブランドに対する興味・関心を促すと共に、ブランドイメージの向上を図っています。
継続はブランドイメージを強固にする
前編となる今回の記事では、「AC Milan vs. Drift Cars(ACミラン vs ドリフトカー)」というCMを通して、トーヨータイヤが視聴者の興味・関心を促すために、どういった演出を取り入れたか考察しました。
今回のCMを含め、トーヨータイヤはACミランと3回にわたってコラボしています。いずれのCMも全世界で多くの視聴数を獲得しており、トーヨータイヤというブランドを認知させることに成功しています。こうしたコラボを継続して行うことで、「トーヨータイヤはACミランのスポンサー」というイメージを消費者に深く植え付けることができます。
後編では、興味・関心を抱いた視聴者を、購買(アクション)へと繋げるための仕掛けとなるキャンペーンサイトを考察します。