今回は、ガンバ大阪の胸スポンサー、パナソニック(Panasonic)によるスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。
J1に所属するガンバ大阪は、今シーズから新しく設立された市立吹田スタジアムをホームとして戦っています。この市立吹田スタジアムを建設するに際して、パナソニックは自社製品を数多く導入し、最高のスタジアムを造り出す事に貢献しています。(市立吹田スタジアムの概要について詳しく知りたい方はこちらのWikipediaをご覧ください。)
パナソニックが提供した製品とは?
パナソニックは大きく5つの製品を吹田スタジアムに導入しました。
・LED投光器
まぶしく感じる原因である光の重なりを押さえ、またスタジアム全体が均等に照らされるような設計にすることで、選手たちがプレーし易い照明環境を提供しています。
・太陽光発電システム
環境配慮と光熱費削減を目的に、スタジアムの屋根に太陽光発電を導入しています。またその日射量、発電量などを館内モニターに敢えて表示する事で、スタジアムを訪れた人々に環境への配慮をより意識づける取り組みをしています。
・避難誘導システム
何か災害が起きた場合を想定し、ビックスクリーンを活用して避難経路を掲示したり、防災センターと避難システムが常に連動する事で、訪れた人々に安心と安全を提供しています。
・スタジアムサイネージ(電子看板)
店舗などスタジアムの至るとろに電子看板を設置する事で、スタジアムのどこにいても試合を楽しめるコンテンツを観客に提供しています。また、広告配信のプラットフォームにもなっているので、収入源にもなっています。
・マルチアングルWi-Fiライブ映像ファンサービス
Wi-Fiを通してマルチアングルカメラによる映像をリアルタイムで配信し、観客はゴールシーンなどを見逃した時でも巻き戻し再生することができます。また、このWi-Fi配信映像も広告枠として活用され収益拡大に貢献すると共に、その広告配信結果を広告主にフィードバックすることで、Win-Winな関係を構築しています。
上記の製品のプロモーションビデオもあるのでよろしければ、ぜひご覧ください。
広告看板やプロモーションだけがスポンサーシップのアクティベーションではない
今回、ここまでパナソニックが市立吹田スタジアムに製品を導入できたのは、ガンバ大阪の胸スポンサーを努めているからです。スポンサーとしての権利を活用し、スタジアム設計に大きく貢献しています。製品を提供するという自体が収益となりますし、多くの人の関心が集まる「サッカースタジアム」に貢献しているということでブランドイメージの向上にも繋がっています。
上記に挙げた5つの製品のどれを見ても、まぶしすぎないLEDを活用した選手への配慮、安全にスタジアムのどこにいても楽しめるコンテンツを提供する観客への配慮など、自社の製品を「売る」というよりは、「多くの人に喜んでもらえる環境を提供するためのサポート」という印象を与えることができます。
このように、選手たちを活用した企業プロモーションをするのではく、自社の製品を選手、クラブ、スタジアムに提供することで、一緒にスポーツを支える仲間としてブランドイメージを向上させる事も、スポンサーシップのアクティベーションの重要な戦略の1つです。
すばらしいサッカースタジアムを産み出すために
スタジアムはスポーツ観戦において非常に重要です。アメリカなどでは、スタジアムの至る所で観客が楽しめる工夫を凝らしており、最高のスタジアム体験ができます。ガンバ大阪だけでなく、その他のチームでもスタジアム新設案が出ており、度々ニュースになっています。
スポンサー企業とクラブ、スタジアム建設会社がWin-Winな関係を築き、これからもすばらしいスタジアムが増えていく事を期待したいです。