リヒトブックは(LichtBlick)は、香川真司選手も所属するドルトムントのスポンサーです。スポンサーのカテゴリーは上から3つ目のBVB Partnerではありますが、おもしろいスポンサーシップのアクティベーションを行っていたのでご紹介します。
リヒトブックは1998年に創立され、ハンブルクに本社を構えています。顧客数は現在60万世帯を誇る、再生可能エネルギーのドイツ最大手です。供給している電力は、原子力発電と石炭火力発電を使わない100%再生可能エネルギーであるという特徴があります。リヒトブックがスポンサーになったことにより、ドルトムントは練習場、事務所、スタジアムで使う全ての電力を再生可能エネルギーで賄っていて、スポンサーとしてのサポートしています。
勝ち点1につき1kwhをプレゼントする料金体系
さらにリヒトブックはドルトムントサポーター向けに、「Strom09」という料金体系を採用しています。この料金体系で契約すると、ドルトムントがブンデスリーガで獲得した勝ち点1に対して1kWh分の電力がプレゼントされます。例えば、ドルトムントが宿敵シャルケ04に勝てば3kWhが、引き分ければ1kWhがプレゼントされることになり、サポーターにとってはドルトムントが勝てば宿敵を倒したことで気分が満たされ、また電力も増えると言うなんともお得なシステムです。
ちなみにそのStrom09とドルトムントのコラボサイトへのリンクは下記です。(ドイツ語ですが、Google自動翻訳を使って英語にすると読みやすいです。)
https://www.lichtblick.de/bvb#start
このウェブサイトなんかもドルトムントカラーの黄色と黒をメインカラーに染めて、非常に一体感のあるウェブサイトのつくりとなっています。さらにリヒトブックは選手と一緒に写真が取れるキャンペーンなども行ったりもしています。
こうしたリヒトブックの施策は世界一の平均観客動員数を誇るドルトムントサポーターを巻き込んでいる点で大きな影響力があると思いますし、何より再生可能エネルギーということで環境にも優しく、サポーターからも極めていい印象を抱かれていると思います。
2000年以降に成人、あるいは社会人になる世代(1980~2000年生まれの世代)を「ミレニアル世代」と言います。ミレニアル世代の特徴として、消費をあまりせず堅実な生活をする、社会問題に取り組む企業に対して好感を持っている、というのが挙げられます。ドイツの観戦チケットはあまり高いとは言えないものの、節約を心がけるミレニアル世代にとっても、ドルトムントのスポンサーとしてStrom09を通して環境保全対策を実施しているリヒトブック社の取り組みは魅力的に映っていると思います。
このようにその企業がターゲットとする世代や、人種、性別、年齢、特徴など各要素を念頭にマーケットを分析して、スポンサーシップのアクティベーションを考えることは重要です。環境保護とスポンサーチームの勝ち点に繋げるリヒトブックの取り組みは、上手なアクティベーションの事例と言えるでしょう。