今回は、ユーロ2016のオフィシャルスポンサー、「Orange」によるスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。4年に一度の祭典に、出場カ国同士の熱い対戦に目を奪われがちですが、スポンサー企業によるスポーツマーケティング活動にも注目です。
Orangeとはどんな会社?
Orangeはフランスの電気通信事業社です。今回のユーロ2016の開催地である唯一のフランス企業です。具体的には、
- 携帯電話事業
- 固定電話&インターネット事業
- 放送事業(インターネットテレビ)
といった事業を行っている会社です。(さらに詳しくOrangeについて知りたい方はこちらから)
他にも
- ラグビーフランス代表
- サッカーフランス代表
- アフリカネーションズカップ
などのスポンサーも務めており、スポーツマーケティングを積極的に行っている会社です。
サポーターの思いを可視化する「Orange Sponsors You」キャンペーン
まずは以下のこのキャンペーンのプロモーション動画をご覧ください。
このキャンペーンは、フランスの代名詞共言えるエッフェル塔を活用し、ユーロ 2016を観戦するファンやサポーターの思いを可視化させます。流れは以下の手順です。
- ファンやサポーターは試合観戦中や、日常生活で自分が応援するチームを鼓舞する気持ちをtwitterやfacebookなどのSNSに投稿します。
- Orangeはそのファンの心理と行動をうまく活用し、「特定のハッシュタグ(例: #ENG for England)」がついた投稿を計測します。
- その日毎に開催される最後の試合が終了した10分後に、一番応援メッセージが投稿された国のカラーで、エッフェル塔がライトアップされます。
つまりこのキャンペーン、一番熱い気持ちをもったサポーターを持つ国のカラーがエッフェル塔にライトアップされるのです。発表も大々的にやることで大勢の人々の注目も集めています。以下の動画でライトアップする様子をみることができます。
この「Orange sponsors you」キャンペーン、「応援するファンやサポーターをスポンサーする」というメッセージが込められています。ファンやサポーターと密接に関わってコミュニケーションを取ることで、キャンペーンに参加した人々のブランド認知を高めると共に、イメージの向上を図っています。
現代のスポーツ観戦に欠かせないSNSを活用した巧みなキャンペーン
Orangeが実施したこのキャンペーン、SNSをうまく活用しているのが特徴的です。現代のスポーツ観戦において、スポーツを観戦しながら仲間と写真を取りSNSにアップしたり、応援するチームを鼓舞する気持ちを投稿してシェアできるようになりました。つまりSNSを通して、ファンやサポーター一人一人の思いが可視化できるようになりました。
しかしその可視化されたサポーターたちの思いはSNS上でしか見えませんでした。そこでOrangeはエッフェル塔をライトアップすることで、サポーターの思いを現実の世界で見える形で可視化させました。
今やSNSはスポーツ観戦を語る上で欠かすことはできません。スポーツチーム、スポンサー企業がSNSを活用したマーケティングに積極的に取り組んでいます。今回紹介したOrangeの事例は、「リアル(現実の世界)」と「SNS」をうまく繋げた非常に優れたスポンサーシップのアクティベーション事例です。SNSを活用したマーケティングは加速すると思われますし、今後も注目していきたいと思います。