サッカーか彼女か究極の選択!? スポンサーシップのアクティベーションと言えばハイネケン!

サッカーか彼女か究極の選択!? スポンサーシップのアクティベーションと言えばハイネケン!
出典: www.bandt.com.au
スポンサーシップ

スポンサーリンク

オススメの Pick UP 記事

この記事は、当時大学卒業間際の私が初めて書いた記事です。非常に拙く、記事というよりも「プロモーションの実況」のようなものですが、原点とも言えるのであえてこのままにしています。

このハイネケンによるスポンサーシップのアクティベーションは、私が最も感銘を受け、「スポンサーシップのアクティベーションっておもしろい!」と強く感じた事例です。

ハイネケンによるスポンサーシップのアクティベーション

スポンサーシップのアクティベーションがうまい企業と言えば、サッカーファンにはお馴染みのオランダのビールメーカー「ハイネケン」を真っ先に思い浮かべます。ハイネケンはワールドカップにも引けを取らない、世界最大のスポーツコンテンツであるUEFAチャンピオンズリーグの公式スポンサーです。本日は、ハイネケンが行った施策の中でも特に秀逸な事例を紹介したいと思います。

 まずはこちらのYouTube動画をご覧ください。

(英語版しかありませんがご了承ください。)

これはイタリアのハイネケンが2009年10月21日、UEFAチャンピオンズリーグの名門サッカーチーム、ACミラン対レアル・マドリッドの試合に際して行ったアクティベーションの一つです。名門サッカーチーム同士の試合ということもあり、サポーターとしては絶対に見逃せない試合です。ハイネケンはこのサポーターの心理を逆手に取り、ACミランの熱烈なサポーターに対して、極めて秀逸なサプライズイベントを仕掛けました。

 

彼女「パパからクラシック・コンサートのチケットをもらったの!一緒に行きましょ?」

彼氏(え、その日大事なサッカーの試合を見たいんだけど、、、でも彼女の頼みじゃ、、、)

 

上司「すばらしいクラシック・コンサートがあるんだ。一緒に行こうじゃないか。」

部下(その日はサッカー見たいのに、、、でも上司には逆らえないわ、、、)

 

サッカーの試合と全く同じ日のコンサートに、絶対に逆らえない相手から誘われしぶしぶ連れてこられたACミランサポーターたち、延べ1,136人。コンサートが弦楽四重奏で激しく眠気を誘ってくる。その演奏者の背後には巨大なスクリーンが。しかし演奏の中盤に差し掛かったところでスクリーンに変化が生じました。

 

「上司にノーというのは難しいですよね?」

 

「彼女にもノーと言うのは難しいですよね?」

 

「どうして彼らはこんな大きな試合を見逃すことができるんでしょう?」

 

など、次々にコンサートとは関係のない言葉が映し出される。爆笑する観客たち。

そして最後に、

 

「一緒に試合を楽しもうじゃないか!!!」

 

というメッセージが流れ、

 

「Heineken」

 

という企業ロゴが最後に大きく映し出され、その後に試合開始前のレアル・マドリードとACミランの両選手が握手をしている場面へと移り変わりました。その瞬間、会場は歓喜の声と大きな拍手に包まれました。結局、この日の試合はアウェイのACミランが3-2で勝利し、サポーターたちにとっては一生忘れることのない夜となりました。

 

実はこのイベントはSkyスポーツチャンネルで中継されていました。この中継を見た人は150万人いたといわれている。さらに翌日には1千万人がTVニュースを見て、5百万人のユニークユーザーがWebサイトに訪れました。

 

このキャンペーンを手がけたのはミラノのJWT Milanという代理店です。サポーター、メディア、チャンピンオンズリーグ、多くの人々を巻き込んだ一大サプライズは大きな成功をもたらしました。

 

このようなマーケティング手法は「バイラルマーケティング」と呼ばれています。バイラルマーケティングとは、製品やサービスに関する「口コミ」を意図的に広め、低コストで効率的に商品の告知や顧客の獲得を行なうマーケティング手法です。

 

ハイネケンはチャンピオンズリーグのスポンサー権利を活用し、このようなサプライズキャンペーンを催しました。企画の秀逸性もあり、このキャンペーンは世界規模で認知され、「ハイネケン」という企業の知名度を上げるとともに、サプライズをされたサポーター、サポーターを騙した仕掛け人やその家族、そしてこのキャンペーンを知って感銘を受けた人々全部のロイヤリティを高めたと言えます。それからまた口コミなども広がって、ハイネケンの認知度やロイヤリティも上がります。

 

こんなキャンペーンを仕掛けられたらなかなかその企業のことを忘れることはできないですよね。日本でもこれくらい秀逸なキャンペーンを見てみた。そう思わせるような、優れたアクティベーション事例です。

スポンサーリンク