このデータをどういうグラフにしたらいいか分からない!
グラフを作ったけど、上司に見にくいと言われた!
人に伝わりやすいグラフを作りたいと感じたことがある!
こうした経験のある方にオススメの本「データビジュアライゼーションの教科書」を読んだので、その簡潔な書評を書きたいと思います。
著者: 藤 俊久仁 (著), 渡部 良一 (著)
単行本: 192ページ
出版社: 秀和システム
発売日: 2019/5/31
著書の一人である藤 俊久仁さんのTwitter
ブログでもご紹介。
『データビジュアライゼーションの教科書』 https://t.co/imMWlfismp#データビジュアライゼーションの教科書— Toshikuni Fuji (@VToshikuni) 2019年5月31日
購入したきっかけ
日々、データと向き合う中で「このデータはどうビジュアライズすると一番相手に伝わるのだろうか?」と考えるものの、すぐに結論に至らなかったり、実際にグラフを作っても「何か違うな?」となってしまうことが度々あります。そのため、「この本で体系的に学べるのではないか?」と感じたのが購入した大きな理由です。
また、デジタルマーケティング界隈で非常に有名なウェブアナリストである小川卓さんが、Facebookでシェアしていたのを見たのが最初のタッチポイントでした。
読んで良かった3つのポイント
1. 各グラフの特徴が改めて理解できる
本書には、様々なグラフが登場します。その各グラフが「どういったことを分析するのに向いているか?」を理解することができます。
何となくグラフを作っている人は、本書を読むことで「最終的に言いたいことを伝えるのに最適なグラフはどれか」ということを考えながら作成できるようになるのではないかと思います。
例えば、下記のように、円グラフは「割合」を視覚的に判断できるグラフです。
2. 同じことを表現する上で、悪いグラフと良いグラフの例が分かる
データから一つのことを言いたくても、その表現方法はいくつもあるかと思います。それを表す上で、本書には「良い例」と「悪い例」が Before & After の形で両方描かれており、具体的に理解することができます。こうした数々の例が100ページ以上に渡って掲載されており、盛りだくさんの内容になっています。
3. データビジュアライゼーションの類型が分かる
一言にデータビジュアライゼーションといっても、その目的は様々で、大きく2つに細分化しています。
インフォーメションデザイン:課題解決のためのデータ可視化
アートデザイン:自己表現のためのデータ可視化
本書で深掘りするのは「インフォーメションデザイン」で、さらに以下の4つに分けられます。
仮説検証型:仮説が事実かどうかをデータで裏付けため
仮説探索型:データから改善に繋げるための仮説を探すため
事実報告型:重要KPIなどをモニタリング・報告するため
事実説明型:作り手の仮説や発見を読み手(相手)に伝えるため
自分がどの目的のためのデータビジュアライゼーションに取り組んでいるのかを理解することが重要だと改めて感じました。
惜しいと感じた点
タイトルに「教科書」と書かれているように、どちらかと言えばデータに触れ始めたばかりの初心者に適した本だという印象を受けました。あくまで、「データビジュアライゼーション」に特化した本であるため、「何でも解決する魔法のような」データ分析の方法やデータビジュアライズが分かるわけではありません。
そのため、データ分析やデータビジュアライズにそれなりに経験がある方向けの上級者テクニックをもう少し知りたかったなと感じました。
とは言え、グラフを作ったのに相手になかなか伝わらなかった、言いたいことがグラフでうまく表現できなかった、などの経験がある方にはやはりオススメの本だと思います。
まとめ
買うべき人
- データのビジュアライズが苦手だと感じている人
- データや言いたいことに合わせて適切なデータビジュアライズの方法を知りたい人
- データビジュアライゼーションをイロハをきちんと学びたい人
買うべきでない(ミスマッチになる)人
- 高度なデータ分析スキルを身につけたいと考えている上級者