今回はセリエAで圧倒的な強さを誇るユベントスの胸スポンサー「Jeep」によるスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。Jeepは一年前のベルリンで行われたチャンピオンズリーグ決勝、ユベントス対バルセロナに先駆けてあるプロモーションを行いました。
JeepとRenegadeとは?
Jeepはアメリカの自動車メーカーFCA US LLCのブランドの1つであるクライスラーが生産する四輪駆動車のブランドです。第二次世界大戦で使われていた小型四輪駆動車がその原型となっています。高い耐久性と悪路における優れた走行性能が特徴です。
今回のプロモーションは、このJeepブランドの中でも、北米市場ならびに欧州市場向けに販売するコンパクトクロスオーバーSUVである、「Renegade(レネゲード)」を対象としています。
Jeepはユベントス以外にも、
- 世界サーフリーグ
- ウィリアム・フォックス・ピット(総合馬術競技)
- ジャクソンホール(マウンテンリゾート)
など、サッカー以外のスポンサー活動も積極的に行っています。
Renagede for a night
Renagede for a nightと名づけられたこのプロモーション。どういったものなのでしょうか?まずは下記の動画をご覧ください。
ユベントスの有名選手である、ポグバ、キエッリーニ、モラタ、?が動画に参加しています。彼らが街の中の車にカバーをしていく姿はシュールでおもしろいですね。
Youtubeでの再生回数も997,448回と多くの人々にリーチしていることがわかります。
“イタズラ”が口コミを呼ぶ
このプロモーションは冒頭で紹介した、Renagedeの宣伝として行われました。大きく以下の2つのポイントがこのプロモーションが話題になった要因と考えられます。
- 街中の車に宣伝カバーをかけるという奇抜な発想
- この”イタズラ”にユベントスの選手たちが絡んでいる
まず1つ目に関してです。朝に車に乗ろうとしたら、周りの車には全て同じカバーが掛けられていたら何事かと思いますよね。自分の車の位置がわからない人もいたかもしれません。しかし、こうした仕掛けがJeepの強い印象を人々に植えつけます。奇抜なプロモーションを仕掛けることで話題を生む。バイラルマーケティングの手法です。
2つ目に関しては、Jeepがユベントスのスポンサーである点に紐付いています。ユベントスの選手たちがこのプロモーションに参加できたのは、Jeepがスポンサーであるからです。普段Jeepと関わりはないが、ユベントスのファンである人々にアプローチすることができます。また、特に有名な選手を起用することで話題となりやすくなっていますし、選手の関わり方も”イタズラ”というコンテンツとしてもおもしろいものになっています。
プロモーションはタイミングも重要
チャンピンズリーグ決勝戦は世界中で注目されています。そこに進出したユベントスとバルセロナの両チームは特に注目が集まります。今回のプロモーションは#roadtoberlinというハッシュタグも使われ、決勝に先駆けて人々が盛り上がっている際に実行されています。このように人々の熱狂が渦巻いている適切なタイミングでプロモーションを行うことで、リーチを最大化させています。
多くの自動車メーカーがスポーツにスポンサーしています。スタジアムで自社の車を展示するなどはよく見かけますが、こういったプロモーションはあまり多く見かけません。Jeepとユベントスが魅せたちょっと遊び心のあるプロモーションは、世界中のスポンサーする自動車メーカーに新たなアイデアを与えてくれるのではないでしょうか。その他の自動車メーカーからもおもしろいプロモーション事例が出てくることを期待したいと思います。