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スタンダードチャータード銀行とは?
スタンダードチャータード銀行は2010年7月からリバプールのスポンサーを務めています。また、2015年に契約を延長し、2018-19シーズンまでスポンサーを務めることが決定しています。
また、月に一回ファン投票で決まる「スタンダード・チャータード・プレイヤー・オブ・ザ・マンス(月間最優秀選手)」を実施しています。賞の名前にブランド名を組み込むことで、ブランド名の認知度向上を図っています。
スタンダードチャータード銀行はリバプールのスポンサーとしての権利を活用し、どのような活動を行っているのでしょうか?CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任社会貢献活動)活動に絡めたある事例をご紹介します。
Seeing is Believing(視覚障害者支援プログラム)
スタンダードチャータード銀行は2003年から、視覚障害者を支援するプログラム「Seeing is Believing」というCSR活動を行っています。これまでにアジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカなどの地域で5300万人以上の視覚障害者を支援してきました。
スタンダードチャータード銀行は、Seeing is Believingの活動をさらに認知させるために、リバプールと協力し年に一回「パーフェクト・マッチ」というものを行っています。この試合では、プレミアリーグの試合でユニフォームの胸ロゴを、銀行ロゴから「Seeing is Believing」のロゴに変更します。今年の10月17日に行われたマンチェスターユナイテッド戦で行われました。
また、チャリティーオークションも行われ、「Seeing is Believing」のロゴが入ったユニフォームに選手たちがサインをしたものが出品されます。その収益が支援金として視覚障害者に寄付されます。
このようにスタンダードチャータード銀行は、Seeing is Believingの活動をリバプールと協力して広めています。
CSR活動の認知度向上=ブランドイメージ向上
CSR活動は多くの企業で実施されています。もちろん、CSR活動を行うこと自体がとても意義のあることで、大規模な企業には率先して行っていってほしいです。
しかし、そうしたCSR活動が消費者にきちんと認知させるのは難しいです。露骨にプロモーションなどをすると、逆にブランドイメージを損ねてしまう可能性もあります。自然な形で、消費者に自社で行っているCSR活動を認知してもらうことができれば、その企業のブランドイメージの向上に繋がります。
そうした意味で、リバプールとスタンダードチャータード銀行が行っているSeeing is Believingはスポーツの強みを活かした優れた宣伝をしています。
プレミアリーグは世界で一番人気のリーグと言っても過言ではありません。世界各国で試合が配信されるためその宣伝効果は大きいです。そのような舞台でロゴを変えたユニフォームで選手たちがプレーすることで、Seeing is Believingの認知度を世界中で高めることができます。
ブランドイメージの向上は銀行においても重要
食品や自動車などのメーカーと比べると、銀行や金融企業はスポンサーシップのアクティベーションが難しいかもしれません。しかし、今回ご紹介したリバプールとスタンダードチャータード銀行のように、自社のCSR活動を宣伝する目的でスポーツを活用することができます。
消費者が銀行を選ぶ際に決め手となってくる要素は多くありますが、ブランドに対して良いイメージを持っている方が有利です。好きなチームにスポンサーをしているから、CSR活動をしていてイメージがいいから、こうした要素を考慮して銀行を選ぶ人もいるでしょう。
スタンダードチャータード銀行の収益の多くは、熱狂的なプレミアリーグファンの多いアジア太平洋地域からもたらされています。自社のターゲットとする地域でのブランドイメージ向上を図る上で、その地域で人気のものと絡めることで効果的にアプローチすることができます。
一見関連性が薄いように見える銀行とスポーツですが、その可能性はまだまだあります。リバプールとスタンダードチャータード銀行のような事例が、これからも増えていくことを期待したいです。