エミレーツ航空のスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。エミレーツ航空は、2016年1月22日にハンブルガーSVのホームスタジアム、フォルクスパルク・スタディオンで開催されたブンデスリーガ第18節、ハンブルガーSVvsバイエルン・ミュンヘンの一戦で、キックオフ前に秀逸な企画を仕掛けました。
まずは下記の動画をご覧ください。
機内で流れる「安全ビデオ」をモチーフとして、スタジアムで楽しむための方法をエミレーツ航空のCAさんたちが実演してくれるという、なかなかお目にかかれない試合前の演出です。
「乱気流(試合が盛り上がってきた時)場合には、ファンはスカーフを肩の上に掲げるでしょう。選手たちに十分な酸素を行き届けるために、全力でスカーフを振り回してください。」
このような機内のアナウンスと敢えて似せたアナウンスをスタジアムで行うことで観客の目線を引きつけています。
この動画に出てくる美人なCAさんのボール捌きも巧みです。リフティングは素人にとっては5回するのも難しいですが、彼女たちは平然とこなし、ヒールリフトという荒技まで繰り出す強者まで現れます。華奢な体からは想像もできないシュートを放つCAさんもおり、中にはバーを超えるCAさんもいます。そんなCAさんのパフォーマンスを見ているサポーターたちは大盛り上がりで、彼女たちに歓声を送っています。
キックオフ前の時間の活用
このアクティベーションの一番のポイントは、キックオフ前の時間を効果的に活用している点です。ドイツの強豪クラブであるバイエルン・ミュンヘン戦に備えて試合前にサポーターを盛り上げるために行われていますが、それと同時に「エミレーツ航空」という会社をサポーターに強く印象づけることに成功しています。
レアル・マドリード、アーセナル、ACミラン、ベンフィカなど、多くの欧州の強豪クラブで胸スポンサーをするエミレーツ航空ですが、これも彼らの一貫したブランド戦略であると考えられます。世界各国のサッカーファンが熱狂する欧州サッカーの強豪クラブの胸スポンサーになることで、世界中への宣伝効果、ブランディングを可能にしています。
実際、筆者ももサッカーを通してエミレーツ航空の存在を知り、乗ってみたいという思いが生まれ、実際に利用した経験があります。このように、自分の好きなものと深く関わりのある企業、またその好きなものに多大な貢献をしている企業へのブランドイメージをスポンサーシップを通して高めることができます。
秀逸な試合開始前プロモーションを仕掛け、自分たちのブランドを多くのサポーターに印象づけたエミレーツ航空。彼らが行うプロモーションからこれからも目が離せません。