今回は、ポルトガルの古豪、ベンフィカの胸スポンサーであるエミレーツ航空のスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。
キックオフ前の時間を活用した大々的なプロモーション
2015年10月26日、舞台はベンフィカのホームスタジアム、エスタディオ・ダ・ルス。ポルトガルの強豪、スポルティング戦という大一番でこのプロモーションは行われました。まずは下記の動画をご覧ください。
最後にCAさんが渾身ガッツポーズを決めているのが印象的です。これぞクリエイティブというようなプロモーション。O Escritórioというポルトガルのエージェンシーも一枚噛んでいるみたいです。
1年前に行われたプロモーションということもあり、日本でもすでに話題になっていたので、すでにこの動画をご覧になった方もいたかと思います。そこで、もう少し「スポーツマーケティング」的な視点でこのアクティベーションを考察したいと思います。
ファンとの距離を縮めるアクティベーション
この「機内安全ガイド」の優れているポイントは以下の二つです。
- スタジアムを盛り上げるために「試合前の演出」でこのプロモーションを行ったこと。
- 「安全のための機内アナウンス」という誰もが知っているものと、会場の盛り上げを重ね合わせることで大勢の観客の注目を集めることに成功していること。
この試合には約65000人の観客が来場していたと言われており、多くの人にこのプロモーションを露出させることに成功しています。その機内アナウンスをイメージした盛り上げも、ただ自分たちがデモンストレーションを行うだけでなく、観客と一体になれるような言葉、動作を用いて観客との距離を縮めています。
この動画の波及効果として、
- エミレーツ航空のfacebookページで54091いいね、66170件のシェア、3351件のコメントが付き、動画の再生回数は3,684,613回と驚くべき数字を記録。
- Youtubeでの動画再生回数、2,372,291回。
このことからも多くの波及効果があったことがわかります。
このようなプロモーションを行うことで、ベンフィカサポーターとの距離感を縮めることができます。この動画の最後に出てくる、「Connecting Benfica fans around the world=世界中のベンフィカファンを繋げる」というスローガンのもと、ベンフィカサポーターのためにこのプロモーションを行っています。
このようにサポーターの印象に残るようなプロモーションを行うことで、ブランドに対するより良いイメージをサポーターに植えつけることができ、ブランドとの距離が縮まり親近感が沸くかと思います。サポーターだけでなくここまで大規模なプロモーションを行うと口コミが広がり、多くの波及効果も見込めます。
多くの人の注目が集まるスポーツという舞台を活用し、ブランドイメージを高めるプロモーションを行ったエミレーツ航空のこの事例は、マーケティング視点で見ても非常に優れてスポンサーシップのアクティベーションです。エミレーツ航空が仕掛ける秀逸なプロモーションにこれからも注目です。